EUD500、EUD510の水位検出器汚損によるエラー

EUD500、EUD510でビープ音が連続的に鳴るエラーには、給水バルブの弁の劣化で規定通りの時間で水が溜まらなかった場合の他に、水位検出器でオーバーフローを検出した場合があります。よほど汚れていないと起きないエラーですが、ケース内で汚れが固着して硬く石化したりすると発生します。

区別の仕方は運転モードによる変化。通常モードでも下段モードでもエラーが起きるならバルブの劣化、通常モードではエラーが起きて下段モードでは運転できるなら水位検出器の汚損が疑われます。

水位検出器は本体の左側下部に存在します。水が入りフロートが浮くことでその位置で水位を検出する仕組みの部品です。このケースやフロートが油汚れで固着するなどして動きが悪くなった場合、水が溜まってもフロートが動かないためそのまま水がたまり続けます。

そしてケース上部についている検出器まで水が達するとオーバーフローが検出される仕組みです。オーバーフローが検出されると即座に排水を開始、連続音でエラー警告を出し運転しません。

この故障の場合バルブを交換してもまったく意味がありませんので水位検出器の清掃が必要になります。

これが水位検出器で、3つの水色丸位置のネジを取ると外すことができます。白色矢印は引っかけ爪、ラッチの位置です。このラッチを押すことでフタとケース、フロートを分離できます。

赤いAで示すのはオーバーフローの電極で、取り付けネジの先端のところまで水が来ると水位超過を検知する仕組みです。

黄色いBで示すのは排水完了を検知するマイクロスイッチです。このスイッチがONだと水位ゼロと判断します。OFFになると下段まで水位が来たと判断します。下段モードで運転を開始すると、このスイッチがOFFになった時点で運転を開始します。


これが水位ゼロの状態。フロートは完全に下がり、マイクロスイッチをONにしています。

また緑のCは通常モードの水位を検出するセンサーを示しています。目盛りで42ほどの水位になるとフロートの腕がセンサーにタッチし、通常モードで運転する水位が得られたと判断、運転を開始します。

異なるのは下段モード実行時の水位判定がBの排水検出スイッチがOFFになったことであるのに対して、通常モードの水位判定はCのセンサーがONになることです。つまり下段モードでは動いても通常モードでは動かない場合は、フロートが途中で引っかかっておりBのスイッチをOFFにする程度には動けても、CのセンサーをONにするほどには動くことができないから、という故障である可能性が高いのです。

その結果通常モードでは給水が続いてAのオーバーフローセンサーに水が到達し、オーバーフローが検出されます。食洗機は水位センサーが反応しないのにオーバーフローセンサーが反応した、ということで故障と判断し即座に排水、運転を中止して警告音を鳴らします。

という故障。ではこの解決方法ですが交換部品はとくに必要ありませんが、清掃用にベンジンやパーツクリーナーなどの有機溶剤とスクレーパーを用意して下さい。

その上でまず背部パネルを外します。次に左パネルのネジをすべて取り、左パネルを外します。ちなみに背面パネルを外すのはそれを外さないと左パネルに接続されているアース線の取り付けネジが取れないからです。これを外さないと左パネルが外れません。
水位検出器を本体に止めている空色丸で示す三カ所のネジを取り、検出器を本体から引き抜きます。

本体の水路との接続部ははめ込んでいるだけですから引っ張ればすぐに外れます。

水位検出器のフタは両脇でラッチ止めされているので白矢印で示す両脇のラッチを押してやれば簡単にケースと分離できます。フタには二つのオーバーフロー検出端子がついており、ケースには電極がついていますので本体から遠く引き出すことはできませんが、この状態でやりにくいながらもフロートとケースを清掃することができます。もし面倒でなければ電極類を外してケースを本体から取り出してもいいでしょう。

フロートとケースの清掃では、固着した油汚れは洗ったところで取れるものではありませんので、ベンジン等の有機溶剤を使って払拭します。有機溶剤を流し込み古い歯ブラシなどでブラシ洗いをすると簡単です。要はフロートが動けば良いので完璧に汚れを取る必要はありませんができるとこまで、とくに石化している部分などはスクレーパーを使って削り落として下さい。固着して石化したこの部分に引っかかって油汚れが成長しますし、成長するとフロートが動かなくなる原因となります。とくにフロート部についた汚れ。フロートに汚れがたまり浮力、重さ、重心が変わると想定通りの浮力、動きが得られずエラーが起きる可能性があります。

ある程度キレイになったら逆順で組み立て、試運転をしてみて下さい。

油汚れを取り去ってから食洗機にかけるようにしていればこのエラーが起きる可能性は低くなりますが、普通の人は油汚れを処理するのが面倒だから食洗機を使っているわけで予洗のような面倒なことはできません。ところがそうすると今度は水位検出器の清掃をしないといけないという面倒なことになる、という仕組みになっています。

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